英領なる文献
前々から書いていた小説が第3者の視点の反応を知るためにこのブログを作ろうと思いました
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そうして、五人は会場に向かい途中に様々な攻撃があったが、苦もなく本大会会場に到着した。
「ほぅ、ココが大会の会場か〜。大きいな」
無影は上を見上げてその大きさを感じていた。
「観客動員数は約150人、VIPルームは20室。その席が準々決勝の時にはいっぱいになります」
「そして、その大半の観客は勧誘目的や邪魔者を排除しようと考えているやつらの巣窟と言う事ですよ」
会場の入口のほうから一人の青年が現れた。
「ようこそ、武術大会へ。あなた方は幾人者武道家たちの攻撃を乗り越えてきた精鋭達と言うこと、そして、栄光を手に入れる唯一の者たち……」
その青年は大げさにココまで来た無影のすごさを大きな身振りで手振りで表現をする。
「それで、あんたは何者だ?」
そんな青年の行動をあっさりと流して無影は聞く。
「良くぞ聞いてくれました。私の名前はエデン、この大会の主催者であり、この大会の発足者の子孫です」
「エデンという名前も偽名ですね……。エデンとは、日本語で言えば楽園という意味です。この大会の主催者には丁度いい名前ですね」
リオナは何かを見透かすようにエデンと名乗って言う人物を流し見る。
「そう詮索しないでほしいな」
そう言いながらリオナを観察するようにエデンも見る。
「まぁまぁ、そのくらいにしておきましょう」
紅葉はそう言いながら二人をなだめる。
「そ、そうですね。これは失礼しました。それではあなた方はこの大会には参加ということでよろしいでしょうか?」
エデンは今までの観察視する感じではなく、主催者としての行動を取る。
「参加登録ってものはあるのか?」
「参加者にはこれを着けてもらいます」
そう言ってエデンは無影たちに一枚のカードが渡された
「これは?」
無影は渡されたものをまじまじと見る。
「それは、フィールドパスです。それがある方は武道大会参加者とみなす証拠です」
「これを持っていると、休憩中であっても敵が襲い掛かってくるってわけだ」
「そう言う事です」
エデンは笑いながらそう言うと、面倒くさそうにパスを胸元につけた。
「これで良いか?」
「オーケー、さぁ行くのだ!! 戦人たちよ」
そう言って無影たちの行く道を指差した。
「そんじゃ、行くか」
無影たちはゆっくりと歩き出した。
そして本戦会場内
中はとても広く観客席が武道大会の壇上を囲うように設置されている。
「それにしてもこれは広いし天井が高いすぎだな…」
無影は天井を見上げながら準備運動をする。
「それだけこの大会は収益を上げているということですよ」
猗澄は無影に内緒で用意していたテコン道用のグラブをはめる。
「猗澄さん、もしかして今回のこと知ってたな」
「さてさて何のことでしょう」
ウキウキしながら猗澄も準備運動をする。
「それにしてもまだ観客は少ないな……」
望月は折畳み式の槍を組み立てながら観客席を見回す。
「あそこに居るのはおそらく観客じゃないわ」
近くにあったベンチに座っていた紅葉がそう言うとそれに賛同するようにリオナも頷く。
「あそこにいる人たちはみんな敵……」
「だろうな……。あんなに闘気が放っていたら誰でも分かるよな」
無影は軽く腰を捻りながら周りの状況を確認した。
(さてさて、問題はこの人の中からどうやって影を探し出すかだな)
無影は周りには闘争心溢れる連中しかいなかった。
「こりゃ探すのに苦労しそうだ」
無影はそう呟きながら木刀を振る。
観客席を見回して見ると浪牙の姿があった。
そして、浪牙はこちらの視線に気が付いたのか手を振って自分の存在をアピールした。
それに気付いた猗澄も手を振り返した。
『そろそろ始まるようね』
中央のスクリーンに主催者のエデンがスタッフ映し出された。
そして、何かの確認が終わったのかスタッフ達が持ち場に戻って行く。
『さぁ〜、苦難の道を乗り越えし戦士達よ。今、我はここで宣告する。この大会の最強の座が欲しいのならばのし上がれ。ここまで来れた者は既に最弱ではあらず、求めるのは最強の言葉のみ。そして、最強のチーム。これより第44回最刻武人大会を開始します。さぁ〜、闘志を燃やし戦へ戦達よ』
盛大な開会宣言に大会出場者は吠える者や静かに精神統一する者さまざまだった。
『それでは、今からルールの説明を行う。まずは、今回大会から新しく5人一チームと言う事は知っている人は知っていると思う。もし知らずに来たとしてもそれは別に構わん、今ここで組めばいいと言うだけだからな。そして、組終わった者から最寄りのスタッフにチームが出来た事を伝えてこのカードを貰いたまえ』
そう言うとスタッフ達にライトが当てられた。
『さぁ〜、それでは10分の時間を与える。さぁ〜、チームを作るのだ!!』
エデンがそう言うと一斉に出場者は動き出した。
そして、10分後
出場者はある程度固まってきた
『10分経過した。さぁ〜ココからが君らの本領が発揮されるときだ。そう、戦闘だ……君らはそのチームで何処までのし上がることが出来るか…。そして、そのチームをどれだけ信頼できるかな』
エデンの声色は試すようない言い方をした。
「さてと、俺らの対戦相手は誰だろうな」
無影はエデンのその言葉を無視して自分たちが戦う対戦相手を探し出した。
「そうですね。歯ごたえがある人だったらいいだけど」
猗澄は楽しそうに周りを見渡していた。
「こいつらか。俺らの相手は」
無影達の前に現れたのはガタイがいい男達だった。
「おめ〜らが俺達の対戦相手か?」
リーダー核のような男が無影に聞いて来る。
「あんたらがこの対戦台に来たんならそうだろうよ」
無影はリーダー核の男を挑発するような言い方をするが。
「だははは、おい、お前ら俺達は運がいいぜ。相手はこんなガキと弱そうなね〜ちゃんしかいないんだからよ」
男は威張りながら言うと、対戦相手の男達は一斉に笑い出した。
「ガキは大人しくお家に帰りな。マミ〜がお家で待ってるぜ」
さらに、無影達を馬鹿にする暴言を言うが全く動じなかった。
「それじゃ、先鋒は誰が出る」
無影は振り向いて言う。
「俺が行っていいか?」
望月がそう言って槍を持って立ち上がる。
「わかった。相手の力量の見極めをよろしく」
望月は了解」いう世に手を挙げて中央に歩いて行った。
中央に着くと相手チームの奴も木刀を担いで待っていた。
「へっへっへっ、槍使か。俺の綱刀で貴様を潰してやる」
そう言って木刀を突き付けた。
「あっそ、潰せるものなら潰してみな」 挑発するように睨み付けていると。
『お〜っと、既に至る所から闘争心が溢れ上がってるね。それじゃ、各フィールドのレフリー諸君。試合を開始したまえ』
エデンが開始の合図にレフリーが振り上げた手を振り下ろした。
それと同時に至る所から衝突音が響き渡った。
「先手必勝!!」
先に仕掛けたのは男の方だった。
男は持っていた木刀で横薙ぎをする。
「どっせい!!」
男の攻撃は望月の横を捉える。
「くっ」
睦月はその攻撃の直撃により少し苦痛の声を上げて、木刀で場外のラインの近くまで薙ぎ飛ばされた。
そして、あまりにも痛かったのか望月は、右膝をついて動かなかった。
「がはっはっはっはっ、やはりガキだけあって軽々と吹っ飛んだぜ」
そう言って威張りきったように木刀を担ぐ。
「無影、望月は大丈夫なの?」
さすがに心配そうに猗澄が聞いてくる。
しかし、無影の表情にはまったく動揺した色はなかった。
「これで、終わりだ!!」
男は一気に決着をつけるように望月に向かって走り出す。
「望月、もういいぞ。大体の実力はわかったからな」
無影がそう言うと、望月はニッと笑って立ち上がった。
「その言葉を待ってたぜ」
襲い掛かってくる男に向かってしっかりと槍を構える。
「今頃そんなことしても同じだ。お前の負けは俺様と当たった時点で決まってるんだよ」
「それはどうかな……」
突っ込んでくる男に望月も突っ込んでいく。
「馬鹿が、自分からやられに来るとわな」
そう言って男は木刀を振り下ろす。
「甘いのは貴様だ!!」
振り下ろされる木刀を紙一重で右にかわしその状態から左足から右足に体重を移動をして勢いをつけて槍を振るった。
「な!!」
さすがの男もそれには反応しきれず槍で吹き飛ばされた。
「やはり、重いな」
望月はそう言って槍を立てる。
「ぐっ、貴様よくも!!」
男は望月の攻撃に怒り、突撃してきた。
「俺を甘く見るからそんな目に逢うんだよ」
「だぁまぁれぇ〜〜〜」
男は大きく木刀を振り下ろすが、その攻撃は望月の軽やかに身を翻して避ける。
しかし、望月は後退しながら避けていた為、徐々に場外まで追いやられる。
「はぁ、はぁ…さぁ、追い詰めたぜ!!」
男は息を吐きながら言うと、望月はまったく追い詰められたのは思っていない表情をしていた。
「追い詰められたのが俺だって? 笑わせるなよ」
槍を構え直した望月は、哀れむように男を見る。
「これで終わりだ!!」
男は最後の一撃を繰り出した。
「だから甘いって言ってるんだ」
望月は男の攻撃は槍を使って受け止めて膝を使って衝撃をいなして受け流した。
そして、しゃがんだ状態から槍で足払いをすると。
「なっ!」
望月の攻撃で完全に態勢を崩した前のめりに倒れこむ。
「ぐっ」
男はそのまま倒れこむと場外で負けと直感して慌てて木刀で身体を支える。
「ほほ〜、よく場外しなかったな」
「けっ、お前の思い通りになるかよ」
「あっそ」
望月は持っていた槍で一突きして男を場外に落とした。
「勝者、望月!!」
望月たちがいるフィールドの審判が望月の勝利宣言をする。
「くっそ〜〜、このくそ餓鬼が!!」
そう言って男はフィールドに上がって望月に向かって殴りかかる。
「はぁ〜、往生際が悪いやつだな…」
望月は男に対して戦闘体制の槍を構えた。
「うぉぉ〜〜〜」
男は望月の構えも気にせずに猛進してくる。
「巌(がん)・双牙衝(そうがしょう)」
そう呟くと男は吹き飛ばされた。
望月の攻撃はあまりにも素早く鋭い攻撃だった為に男には見えていなかった様で直撃していた。
「まったく、大人しく負けを認めて貰いたいものですよ」
「ぐはっ……。き、貴様、何者だ!」
「この後、誰かが相手することになる無影だ」
無影は控え席から一瞬で舞台に出てきて望月が相手をしていた敵を吹き飛ばしたのだ。
それを見た対戦相手のチーム驚愕していた。
「う、嘘だろ……。あいつらの強さは半端じゃねぇぞ」
「お、おい次に出る奴は誰だっけ!?」
さすがに焦りだした対戦相手はこそこそと逃げようとするが出入り口は硬く閉ざされていた。
「さぁ、俺の相手は誰だ」
「し、審判」
対戦相手のリーダーが手を上げて審判を呼んだ。
「はい、なんでしょう?」
審判は対戦相手の男たちに駆け寄る。
そして、何やらもめているようだった。
「何でダメなんだよ。理由を言いやがれ!!」
「ですから、第一回戦では途中で棄権することは出来ないと説明を行っているはずです」
「そんなこと、どうでもいいんだよ。俺らは帰らせてもらう!!」
男たちは審判に食って掛かる。
その言い争いに無影が近付く。
「審判、提案があるんだが…いいか?」
「何でしょう?」
「俺一人でそいつら全員相手するって言うのはどうだ?」
その提案に審判と対戦相手も驚く。
「おい…てめ〜、舐めるのもたいがいにしろよ」
さすがにそれを聞いて感に障ったのか男達は無影を睨み付ける。
「そんなに睨んでも怖くもなんともないよ。逃げ腰の人たちにとってはね」
「この糞餓鬼が〜〜」
そう言って男達は舞台に引っ張り出された。
そして、無影に殴り掛った。
「おっと、焦らないでよ。小父さん」
無影が敵の攻撃を避けている光景を見ながら審判は無線で確認を取っていた。
「審判、まだOKでないんですか?」
「少々お待ちください……はい……ええ…」
無線からの声を必死に聞きながら交渉をしている。
「了解しました。無影チームから後一人舞台に4対2であれば許可するそうです」
そう言うと、控え席から誰かが走ってきた。
「よ〜し、暴れるよ〜」
舞台に上がってきたのは猗澄だった。
「あ、猗澄さん、手加減してくださいね」
「うん」
面々の笑みを浮かべながら言う。
(説得力ね〜)
さすがに呆れながら猗澄を見る。
「それでは特別試合開始」
審判が開始の挨拶をすると回避行動から戦闘体制に移った。
「女から狙うぞ」
一人の男がそう言うと2人がかりで猗澄を狙う。
しかし、猗澄はその行動に驚きもせずに対処に移った。
「戦略としては正しいけど、それはある意味で危険な策でもあるのよ」
襲い掛かってくる男たちを軽やかに受け流した。
そして「せい!!」と言う掛け声の後に襲い掛かってくる一人の男が宙に舞い上がった。
「なっ!」
一緒に襲ってきた男が宙に舞っている男を見て驚く。
「驚いている暇はないわよ」
そう言って、もう一人の男に接近して、攻撃の態勢を取っていた。
「これで終わり」
猗澄に襲い掛かってきた二人の男はあっさり敗れた。
「さてと、今度はあんた達だな」
無影を攻撃していた男たちと距離をおいた。
「このヤロ〜!!」
ある程度距離を置こうとしたが一人の男が突っ込んできた。
「ばか、よせ!」
この敵のチームのリーダーだった男が制止の言葉をかけるがその言葉を無視して男は突っ込んでくる。
無影は「ふぅ〜〜」と息を少し吐き、抜刀の構えで集中力を一気に高める。
「貰った!!」
男はすかさずトンファーで攻撃してきた。
しかし、無影はその攻撃の行動を無視して。
「……一閃」
そう呟くと無影は男の後ろにいた。
「な、何をしやが…た」
男はそう言うと持っていたトンファーを落とし倒れた。
「あんたの腹にこの木刀で一撃いれただけだよ」
無影は木刀を肩で担いでもう一人の方を見た。
「残ったのは俺だけか…」
リーダーの男がそう呟く。
「猗澄さんは手を出さないで下さいね」
「え〜、私も戦いたい」
不満そうな顔をしながら無影を見ると、無影の表情が少し楽しそうな表情をしていた。
「……」
無影の楽しそうな表情と真剣な顔を見て猗澄は戦うのを諦めた。
「あんた、あの中で一番できるな」
「それはお互い様だ。お前の名前はなんて言うんだ」
「そう言うお前は、名前を尋ねるなら自分から言うのが筋と言うものだろう」
睨み合う両者は、一旦武器を下ろした。
「そうだな、それじゃ、俺から名前を明かそう。俺の性は鴻(おおとり) 名は滉(こう)だ」
「今度は俺が名乗る番だな、俺の名前は……」
無影が名乗ろうとしたときだった。
「……来る」
無影たちの控え席からその呟く声が無影の耳に届いた。
次の瞬間、無影の目の前の滉と名乗る男の雰囲気が変わったのを感じた。
「無影…離れて」
リオナはそう口にすると舞台に歩み寄る。
「リオナさん、これは俺の戦いです」
リオナの方を少し向いた時だった、離れていた滉が一瞬で無影の所まで近付いていた。
「な!!」
急いで木刀を使って防御をするが滉の一撃は人が持つ力を超えていた。
「いって〜。いったいどうなってやがる」
「離れてって…言ったのに」
そう言ってリオナが舞台に上がろうとする。
「リオナさん、俺を甘く見ないで下さいよ」
そう言ってゆっくりと戦闘体制を取る。
「す〜…はぁ〜…す〜…はぁ〜…」
無影はゆっくりと深呼吸をすると体の内に問いかけた。
(リミッター解除。回避行動を最優先、会心の一撃だけを狙うんだ)
その問いを体に刻み込むように無影は体に力が入れる。
そして、無影の集中力が最高に達した時に滉が攻撃を仕掛けてきた。
(あの距離では避けれない。ココは私があの力を使って…)
「駿足(しゅんそく)」
無影がそう呟くと敵の攻撃をあっさりかわす。
「ちぃ、完全に避けきれなかったか」
そう言うと左の袖が少し破れていた。
「……」
滉は無言のままゆっくりと無影の方を向き。また攻撃を仕掛けてきた。
(さすがに、やばいな…。完全に避けくるつもりのやつを避け切れなかった。こりゃ〜、予想以上にやばいぞ)
そう考えながらも滉の攻撃を紙一重で何とか避けている。
「しゃ〜ないな。使うかね」
無影はバックステップをして滉から離れる。
「一撃必殺!」
右足を思いっきり踏んで、抜刀の構えを取る。
「激(げき)歩(ほ)!!」
俺がそう吼えた瞬間、無影は滉の後ろにいた。
「ふぅ〜、疲れた」
そう言うと、滉は場外に一気に吹き飛ばされた。
「な、何が起きたの」
それの光景を見たリオナは唖然としていた。
「ん? あれが俺の力の一つだぞ。って言うか、知らなかったのか?」
俺は頭を掻きながらゆっくりと舞台から降りる。
「しょ、勝利チーム。無影チーム」
審判がおくればしながら俺たちの勝利宣言をした。
(それにしても、滉の攻撃力と速度…異常だったな。シャドウと何か関係があるのか)
そんなことを考えながら俺たちは舞台から立ち去った。
歓声が沸いている観客席の後方から、俺たちが立ち去った方向を一人の人がいた。その者の格好は深くフードを被って姿を隠しているようだった。
「なかなか、強いですね……。今宵が楽しみです」
そう言いながら通路の奥に消えていった。
そんな事は誰も気付かずに俺たちは歓声を浴びていた。
「ほぅ、ココが大会の会場か〜。大きいな」
無影は上を見上げてその大きさを感じていた。
「観客動員数は約150人、VIPルームは20室。その席が準々決勝の時にはいっぱいになります」
「そして、その大半の観客は勧誘目的や邪魔者を排除しようと考えているやつらの巣窟と言う事ですよ」
会場の入口のほうから一人の青年が現れた。
「ようこそ、武術大会へ。あなた方は幾人者武道家たちの攻撃を乗り越えてきた精鋭達と言うこと、そして、栄光を手に入れる唯一の者たち……」
その青年は大げさにココまで来た無影のすごさを大きな身振りで手振りで表現をする。
「それで、あんたは何者だ?」
そんな青年の行動をあっさりと流して無影は聞く。
「良くぞ聞いてくれました。私の名前はエデン、この大会の主催者であり、この大会の発足者の子孫です」
「エデンという名前も偽名ですね……。エデンとは、日本語で言えば楽園という意味です。この大会の主催者には丁度いい名前ですね」
リオナは何かを見透かすようにエデンと名乗って言う人物を流し見る。
「そう詮索しないでほしいな」
そう言いながらリオナを観察するようにエデンも見る。
「まぁまぁ、そのくらいにしておきましょう」
紅葉はそう言いながら二人をなだめる。
「そ、そうですね。これは失礼しました。それではあなた方はこの大会には参加ということでよろしいでしょうか?」
エデンは今までの観察視する感じではなく、主催者としての行動を取る。
「参加登録ってものはあるのか?」
「参加者にはこれを着けてもらいます」
そう言ってエデンは無影たちに一枚のカードが渡された
「これは?」
無影は渡されたものをまじまじと見る。
「それは、フィールドパスです。それがある方は武道大会参加者とみなす証拠です」
「これを持っていると、休憩中であっても敵が襲い掛かってくるってわけだ」
「そう言う事です」
エデンは笑いながらそう言うと、面倒くさそうにパスを胸元につけた。
「これで良いか?」
「オーケー、さぁ行くのだ!! 戦人たちよ」
そう言って無影たちの行く道を指差した。
「そんじゃ、行くか」
無影たちはゆっくりと歩き出した。
そして本戦会場内
中はとても広く観客席が武道大会の壇上を囲うように設置されている。
「それにしてもこれは広いし天井が高いすぎだな…」
無影は天井を見上げながら準備運動をする。
「それだけこの大会は収益を上げているということですよ」
猗澄は無影に内緒で用意していたテコン道用のグラブをはめる。
「猗澄さん、もしかして今回のこと知ってたな」
「さてさて何のことでしょう」
ウキウキしながら猗澄も準備運動をする。
「それにしてもまだ観客は少ないな……」
望月は折畳み式の槍を組み立てながら観客席を見回す。
「あそこに居るのはおそらく観客じゃないわ」
近くにあったベンチに座っていた紅葉がそう言うとそれに賛同するようにリオナも頷く。
「あそこにいる人たちはみんな敵……」
「だろうな……。あんなに闘気が放っていたら誰でも分かるよな」
無影は軽く腰を捻りながら周りの状況を確認した。
(さてさて、問題はこの人の中からどうやって影を探し出すかだな)
無影は周りには闘争心溢れる連中しかいなかった。
「こりゃ探すのに苦労しそうだ」
無影はそう呟きながら木刀を振る。
観客席を見回して見ると浪牙の姿があった。
そして、浪牙はこちらの視線に気が付いたのか手を振って自分の存在をアピールした。
それに気付いた猗澄も手を振り返した。
『そろそろ始まるようね』
中央のスクリーンに主催者のエデンがスタッフ映し出された。
そして、何かの確認が終わったのかスタッフ達が持ち場に戻って行く。
『さぁ〜、苦難の道を乗り越えし戦士達よ。今、我はここで宣告する。この大会の最強の座が欲しいのならばのし上がれ。ここまで来れた者は既に最弱ではあらず、求めるのは最強の言葉のみ。そして、最強のチーム。これより第44回最刻武人大会を開始します。さぁ〜、闘志を燃やし戦へ戦達よ』
盛大な開会宣言に大会出場者は吠える者や静かに精神統一する者さまざまだった。
『それでは、今からルールの説明を行う。まずは、今回大会から新しく5人一チームと言う事は知っている人は知っていると思う。もし知らずに来たとしてもそれは別に構わん、今ここで組めばいいと言うだけだからな。そして、組終わった者から最寄りのスタッフにチームが出来た事を伝えてこのカードを貰いたまえ』
そう言うとスタッフ達にライトが当てられた。
『さぁ〜、それでは10分の時間を与える。さぁ〜、チームを作るのだ!!』
エデンがそう言うと一斉に出場者は動き出した。
そして、10分後
出場者はある程度固まってきた
『10分経過した。さぁ〜ココからが君らの本領が発揮されるときだ。そう、戦闘だ……君らはそのチームで何処までのし上がることが出来るか…。そして、そのチームをどれだけ信頼できるかな』
エデンの声色は試すようない言い方をした。
「さてと、俺らの対戦相手は誰だろうな」
無影はエデンのその言葉を無視して自分たちが戦う対戦相手を探し出した。
「そうですね。歯ごたえがある人だったらいいだけど」
猗澄は楽しそうに周りを見渡していた。
「こいつらか。俺らの相手は」
無影達の前に現れたのはガタイがいい男達だった。
「おめ〜らが俺達の対戦相手か?」
リーダー核のような男が無影に聞いて来る。
「あんたらがこの対戦台に来たんならそうだろうよ」
無影はリーダー核の男を挑発するような言い方をするが。
「だははは、おい、お前ら俺達は運がいいぜ。相手はこんなガキと弱そうなね〜ちゃんしかいないんだからよ」
男は威張りながら言うと、対戦相手の男達は一斉に笑い出した。
「ガキは大人しくお家に帰りな。マミ〜がお家で待ってるぜ」
さらに、無影達を馬鹿にする暴言を言うが全く動じなかった。
「それじゃ、先鋒は誰が出る」
無影は振り向いて言う。
「俺が行っていいか?」
望月がそう言って槍を持って立ち上がる。
「わかった。相手の力量の見極めをよろしく」
望月は了解」いう世に手を挙げて中央に歩いて行った。
中央に着くと相手チームの奴も木刀を担いで待っていた。
「へっへっへっ、槍使か。俺の綱刀で貴様を潰してやる」
そう言って木刀を突き付けた。
「あっそ、潰せるものなら潰してみな」 挑発するように睨み付けていると。
『お〜っと、既に至る所から闘争心が溢れ上がってるね。それじゃ、各フィールドのレフリー諸君。試合を開始したまえ』
エデンが開始の合図にレフリーが振り上げた手を振り下ろした。
それと同時に至る所から衝突音が響き渡った。
「先手必勝!!」
先に仕掛けたのは男の方だった。
男は持っていた木刀で横薙ぎをする。
「どっせい!!」
男の攻撃は望月の横を捉える。
「くっ」
睦月はその攻撃の直撃により少し苦痛の声を上げて、木刀で場外のラインの近くまで薙ぎ飛ばされた。
そして、あまりにも痛かったのか望月は、右膝をついて動かなかった。
「がはっはっはっはっ、やはりガキだけあって軽々と吹っ飛んだぜ」
そう言って威張りきったように木刀を担ぐ。
「無影、望月は大丈夫なの?」
さすがに心配そうに猗澄が聞いてくる。
しかし、無影の表情にはまったく動揺した色はなかった。
「これで、終わりだ!!」
男は一気に決着をつけるように望月に向かって走り出す。
「望月、もういいぞ。大体の実力はわかったからな」
無影がそう言うと、望月はニッと笑って立ち上がった。
「その言葉を待ってたぜ」
襲い掛かってくる男に向かってしっかりと槍を構える。
「今頃そんなことしても同じだ。お前の負けは俺様と当たった時点で決まってるんだよ」
「それはどうかな……」
突っ込んでくる男に望月も突っ込んでいく。
「馬鹿が、自分からやられに来るとわな」
そう言って男は木刀を振り下ろす。
「甘いのは貴様だ!!」
振り下ろされる木刀を紙一重で右にかわしその状態から左足から右足に体重を移動をして勢いをつけて槍を振るった。
「な!!」
さすがの男もそれには反応しきれず槍で吹き飛ばされた。
「やはり、重いな」
望月はそう言って槍を立てる。
「ぐっ、貴様よくも!!」
男は望月の攻撃に怒り、突撃してきた。
「俺を甘く見るからそんな目に逢うんだよ」
「だぁまぁれぇ〜〜〜」
男は大きく木刀を振り下ろすが、その攻撃は望月の軽やかに身を翻して避ける。
しかし、望月は後退しながら避けていた為、徐々に場外まで追いやられる。
「はぁ、はぁ…さぁ、追い詰めたぜ!!」
男は息を吐きながら言うと、望月はまったく追い詰められたのは思っていない表情をしていた。
「追い詰められたのが俺だって? 笑わせるなよ」
槍を構え直した望月は、哀れむように男を見る。
「これで終わりだ!!」
男は最後の一撃を繰り出した。
「だから甘いって言ってるんだ」
望月は男の攻撃は槍を使って受け止めて膝を使って衝撃をいなして受け流した。
そして、しゃがんだ状態から槍で足払いをすると。
「なっ!」
望月の攻撃で完全に態勢を崩した前のめりに倒れこむ。
「ぐっ」
男はそのまま倒れこむと場外で負けと直感して慌てて木刀で身体を支える。
「ほほ〜、よく場外しなかったな」
「けっ、お前の思い通りになるかよ」
「あっそ」
望月は持っていた槍で一突きして男を場外に落とした。
「勝者、望月!!」
望月たちがいるフィールドの審判が望月の勝利宣言をする。
「くっそ〜〜、このくそ餓鬼が!!」
そう言って男はフィールドに上がって望月に向かって殴りかかる。
「はぁ〜、往生際が悪いやつだな…」
望月は男に対して戦闘体制の槍を構えた。
「うぉぉ〜〜〜」
男は望月の構えも気にせずに猛進してくる。
「巌(がん)・双牙衝(そうがしょう)」
そう呟くと男は吹き飛ばされた。
望月の攻撃はあまりにも素早く鋭い攻撃だった為に男には見えていなかった様で直撃していた。
「まったく、大人しく負けを認めて貰いたいものですよ」
「ぐはっ……。き、貴様、何者だ!」
「この後、誰かが相手することになる無影だ」
無影は控え席から一瞬で舞台に出てきて望月が相手をしていた敵を吹き飛ばしたのだ。
それを見た対戦相手のチーム驚愕していた。
「う、嘘だろ……。あいつらの強さは半端じゃねぇぞ」
「お、おい次に出る奴は誰だっけ!?」
さすがに焦りだした対戦相手はこそこそと逃げようとするが出入り口は硬く閉ざされていた。
「さぁ、俺の相手は誰だ」
「し、審判」
対戦相手のリーダーが手を上げて審判を呼んだ。
「はい、なんでしょう?」
審判は対戦相手の男たちに駆け寄る。
そして、何やらもめているようだった。
「何でダメなんだよ。理由を言いやがれ!!」
「ですから、第一回戦では途中で棄権することは出来ないと説明を行っているはずです」
「そんなこと、どうでもいいんだよ。俺らは帰らせてもらう!!」
男たちは審判に食って掛かる。
その言い争いに無影が近付く。
「審判、提案があるんだが…いいか?」
「何でしょう?」
「俺一人でそいつら全員相手するって言うのはどうだ?」
その提案に審判と対戦相手も驚く。
「おい…てめ〜、舐めるのもたいがいにしろよ」
さすがにそれを聞いて感に障ったのか男達は無影を睨み付ける。
「そんなに睨んでも怖くもなんともないよ。逃げ腰の人たちにとってはね」
「この糞餓鬼が〜〜」
そう言って男達は舞台に引っ張り出された。
そして、無影に殴り掛った。
「おっと、焦らないでよ。小父さん」
無影が敵の攻撃を避けている光景を見ながら審判は無線で確認を取っていた。
「審判、まだOKでないんですか?」
「少々お待ちください……はい……ええ…」
無線からの声を必死に聞きながら交渉をしている。
「了解しました。無影チームから後一人舞台に4対2であれば許可するそうです」
そう言うと、控え席から誰かが走ってきた。
「よ〜し、暴れるよ〜」
舞台に上がってきたのは猗澄だった。
「あ、猗澄さん、手加減してくださいね」
「うん」
面々の笑みを浮かべながら言う。
(説得力ね〜)
さすがに呆れながら猗澄を見る。
「それでは特別試合開始」
審判が開始の挨拶をすると回避行動から戦闘体制に移った。
「女から狙うぞ」
一人の男がそう言うと2人がかりで猗澄を狙う。
しかし、猗澄はその行動に驚きもせずに対処に移った。
「戦略としては正しいけど、それはある意味で危険な策でもあるのよ」
襲い掛かってくる男たちを軽やかに受け流した。
そして「せい!!」と言う掛け声の後に襲い掛かってくる一人の男が宙に舞い上がった。
「なっ!」
一緒に襲ってきた男が宙に舞っている男を見て驚く。
「驚いている暇はないわよ」
そう言って、もう一人の男に接近して、攻撃の態勢を取っていた。
「これで終わり」
猗澄に襲い掛かってきた二人の男はあっさり敗れた。
「さてと、今度はあんた達だな」
無影を攻撃していた男たちと距離をおいた。
「このヤロ〜!!」
ある程度距離を置こうとしたが一人の男が突っ込んできた。
「ばか、よせ!」
この敵のチームのリーダーだった男が制止の言葉をかけるがその言葉を無視して男は突っ込んでくる。
無影は「ふぅ〜〜」と息を少し吐き、抜刀の構えで集中力を一気に高める。
「貰った!!」
男はすかさずトンファーで攻撃してきた。
しかし、無影はその攻撃の行動を無視して。
「……一閃」
そう呟くと無影は男の後ろにいた。
「な、何をしやが…た」
男はそう言うと持っていたトンファーを落とし倒れた。
「あんたの腹にこの木刀で一撃いれただけだよ」
無影は木刀を肩で担いでもう一人の方を見た。
「残ったのは俺だけか…」
リーダーの男がそう呟く。
「猗澄さんは手を出さないで下さいね」
「え〜、私も戦いたい」
不満そうな顔をしながら無影を見ると、無影の表情が少し楽しそうな表情をしていた。
「……」
無影の楽しそうな表情と真剣な顔を見て猗澄は戦うのを諦めた。
「あんた、あの中で一番できるな」
「それはお互い様だ。お前の名前はなんて言うんだ」
「そう言うお前は、名前を尋ねるなら自分から言うのが筋と言うものだろう」
睨み合う両者は、一旦武器を下ろした。
「そうだな、それじゃ、俺から名前を明かそう。俺の性は鴻(おおとり) 名は滉(こう)だ」
「今度は俺が名乗る番だな、俺の名前は……」
無影が名乗ろうとしたときだった。
「……来る」
無影たちの控え席からその呟く声が無影の耳に届いた。
次の瞬間、無影の目の前の滉と名乗る男の雰囲気が変わったのを感じた。
「無影…離れて」
リオナはそう口にすると舞台に歩み寄る。
「リオナさん、これは俺の戦いです」
リオナの方を少し向いた時だった、離れていた滉が一瞬で無影の所まで近付いていた。
「な!!」
急いで木刀を使って防御をするが滉の一撃は人が持つ力を超えていた。
「いって〜。いったいどうなってやがる」
「離れてって…言ったのに」
そう言ってリオナが舞台に上がろうとする。
「リオナさん、俺を甘く見ないで下さいよ」
そう言ってゆっくりと戦闘体制を取る。
「す〜…はぁ〜…す〜…はぁ〜…」
無影はゆっくりと深呼吸をすると体の内に問いかけた。
(リミッター解除。回避行動を最優先、会心の一撃だけを狙うんだ)
その問いを体に刻み込むように無影は体に力が入れる。
そして、無影の集中力が最高に達した時に滉が攻撃を仕掛けてきた。
(あの距離では避けれない。ココは私があの力を使って…)
「駿足(しゅんそく)」
無影がそう呟くと敵の攻撃をあっさりかわす。
「ちぃ、完全に避けきれなかったか」
そう言うと左の袖が少し破れていた。
「……」
滉は無言のままゆっくりと無影の方を向き。また攻撃を仕掛けてきた。
(さすがに、やばいな…。完全に避けくるつもりのやつを避け切れなかった。こりゃ〜、予想以上にやばいぞ)
そう考えながらも滉の攻撃を紙一重で何とか避けている。
「しゃ〜ないな。使うかね」
無影はバックステップをして滉から離れる。
「一撃必殺!」
右足を思いっきり踏んで、抜刀の構えを取る。
「激(げき)歩(ほ)!!」
俺がそう吼えた瞬間、無影は滉の後ろにいた。
「ふぅ〜、疲れた」
そう言うと、滉は場外に一気に吹き飛ばされた。
「な、何が起きたの」
それの光景を見たリオナは唖然としていた。
「ん? あれが俺の力の一つだぞ。って言うか、知らなかったのか?」
俺は頭を掻きながらゆっくりと舞台から降りる。
「しょ、勝利チーム。無影チーム」
審判がおくればしながら俺たちの勝利宣言をした。
(それにしても、滉の攻撃力と速度…異常だったな。シャドウと何か関係があるのか)
そんなことを考えながら俺たちは舞台から立ち去った。
歓声が沸いている観客席の後方から、俺たちが立ち去った方向を一人の人がいた。その者の格好は深くフードを被って姿を隠しているようだった。
「なかなか、強いですね……。今宵が楽しみです」
そう言いながら通路の奥に消えていった。
そんな事は誰も気付かずに俺たちは歓声を浴びていた。
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